冬や寒い日にマフラーから白煙がよく出ると思ったことはないでしょうか。
実はマフラーから出ているのは白煙ではなく、乱反射した『水蒸気』です。
冬や寒い日に頻繁に見る理由は気温が関係しています。
当記事では、冬や寒い日にマフラーから白煙 (水蒸気) が頻繁に出る理由について解説します。
もくじ
マフラーから白煙 (水蒸気) が出る理由
マフラーから白煙が出ているように見えるものは、実は白煙ではなく『水蒸気』です。
また、マフラーから水蒸気が出ることは故障やトラブルではなく必然的なことで心配はいりません。
水蒸気 (水) は2つの工程で生成されます。
- ガソリン燃焼時 (軽油燃焼時)
- 触媒浄化後
ガソリン燃焼時 (軽油燃焼時) から水が生成
ガソリン燃焼後 (軽油燃焼時) と排気ガスの浄化後は、化学反応により『水』が生成されます。
ガソリンに含まれる水素は、燃焼時に空気中の酸素と反応し『水』を生成されます。
触媒浄化 (化学変化) から水が生成
触媒は燃焼工程を終えたが排気ガスを浄化するシステムです。
排気ガス中には3つの有害な成分が含まれています。
排気ガス中の3つの有害成分
- 一酸化炭素 (CO)
- 炭化水素 (HC)
- 窒素酸化物 (NOx)
3つの有害な成分は触媒の浄化システム (化学反応) により『水』に生成されます。
触媒で浄化後 (化学反応後)
- 一酸化炭素 (CO) → 『水』と二酸化炭素(CO2)
- 炭化水素 (HC) → 二酸化炭素(CO2)
- 窒素酸化物(NOx) → 窒素(N)
ちなみに生成される水分量は、触媒浄化後に生成される水分量の方が多くなります。
冬や寒い日に水蒸気が多い理由
水蒸気は大気で急激に冷やされると水滴 (細かい水の粒) に変わりやすく、さらに光の乱反射が加わると白煙の様に見えます。
また、温度差があるほど水蒸気は濃く見えるため、冬などの寒い時期にはより白煙の様に見えます。
気温が低い日のほか、湿度が高い日も白煙の様に見えやすくなります。
白煙と水蒸気の違い
白煙の特徴
- オイルの臭いがする (オイルが焦げた臭いがする)
- エンジン暖気後も白煙は排気し続ける
- 立ち上った排気 (白煙) はしばらく消えない
白煙の特徴は、マフラーから排気後しばらく消えないことです。
マフラーから白煙を排気する場合は、オイルが燃焼しているなどエンジンにトラブルがある恐れがあります。
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水蒸気の特徴
- 無臭
- エンジン暖気後はほとんど排気されない
- 立ち上った排気はすぐに消える
水蒸気の特徴は、マフラーから排気された後にすぐに消えることです。
熱湯から出る水蒸気が部屋の天井まで残っていることがないように、水蒸気の場合はすぐに消えます。
水蒸気が排気することは完全燃焼しておりエンジン状態が良いと言えます。
また、触媒も正常に作用していますので問題はありません。
反対に水蒸気が少ない場合は、不完全燃焼や触媒にトラブルなどが生じている恐れがあります。
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まとめ
- マフラーから白煙が出ている様に見えるのは実は水蒸気です。
- マフラーから水蒸気が出る理由は、燃焼時に必然的に生成される『水』が急冷し乱反射することから白煙の様に見えるためです。
- 水蒸気は急冷するほど水滴 (細かい水の粒) になりやすく、濃く見えます。
- 燃焼時に水が生成することは、エンジン状態が良く、完全燃焼している証です。
- 水蒸気と白煙の判別は、臭いやすぐに消えるかが大きな違いです。
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