ワイパーゴム交換の際、どのような種類や形状があるか疑問に思ったことはないでしょうか。
ワイパーは前方の視界を確保するには不可欠なパーツであり、異なる種類や形状を選択した際には払拭機能に影響を及ぼし危険な場面に遭遇します。
当記事では、車種に適合したワイパーゴムを選定できるよう、ワイパーゴムの種類や形状、幅について解説します。
もくじ
ワイパーゴムの種類
- スダンタードワイパーゴム
- グラファイトワイパーゴム
- 撥水コートワイパーゴム
- 油膜取りワイパーゴム
- 雪用ワイパーゴム
スタンダードワイパーゴム
新車購入時に取り付いているノーマルタイプと呼ばれる通常のワイパーゴムです。
特徴がないことから、最も安く購入できます。
グラファイトワイパーゴム
【 出典:フリー百科事典『ウィキペディア』】
グラファイトとは『石墨 (せきぼく)』とも呼ばれ、薄い板状の炭素の結晶が何層にも重なり合った素材です。
ワイパー作動時の摩擦抵抗を軽減する目的でワイパーのゴム部にグラファイトをコーティングしてあります。
摩擦抵抗の軽減は、スムーズなワイパー作動を実現し『ビビリ』や『跳ね』を防止します。
特にフロントガラスに撥水コーティングを施してある場合は、グラファイトワイパーゴムを使用します。
注意
撥水コーティングを施したフロントガラスにスダンタードワイパーゴム (ノーマルタイプ) を用いた場合、ワイパー作動時の摩擦抵抗は大きくビビりや跳ねが生じるほか、せっかく施した撥水コーティングを削り落としてしまいます。
グラファイトコーティングは使用頻度や使用環境に伴い、半年 ~ 1年程の間に徐々に剥がれます。
価格はグラファイトコーティングを施してある分、スタンダードワイパーゴムに比べ高くなります。
メモ
グラファイトワイパーゴムはフロントガラスに撥水コーティングを施していない場合にも使用可能です。
撥水コートワイパーゴム
ワイパーゴム部にシリコンをコーティングを施してあるワイパーゴムです。
シリコンコーティングのメリットは、フロントガラスに撥水コーティングを施した場合と同等の効果を得ることができます。
ワイパー作動が人手の替わりとなり、フロントガラスに撥水コーティングを施すイメージです。
価格はグラファイトワイパーゴムに比べ高くなりますが、フロントガラスの撥水コーティングにかかる費用や手間を省くことができるため、必ずしも高くつくことはありません。
油膜取りワイパーゴム
油膜取りワイパーゴムは、フロントガラスに付着した油膜を取り除きます。
車のフロントガラスには、走行状況、走行距離、駐車環境により徐々に油膜が付着します。
油膜落としには有名なキイロビンなどを使用した場合であっても手間や時間がかかりますが、油膜取りワイパーゴムはワイパー作動時に油膜を取り除くため手間や時間を省けます。
価格は手間や時間を省ける分、高くなります。
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雪用ワイパーゴム
雪用ワイパーはゴム部に撥水コートが施してありフロントガラスの着雪 (付着) や氷の生成を緩和するワイパーゴムです。
降雪中を夏用ワイパーゴムで走行した場合、フロントガラスに氷の膜やスジが生じ前方の視界が悪くなります。
また低温によるゴム硬化を起こしにくい材質を選定しており、ワイパーゴムの大きさは夏用ワイパーゴムに比べ2倍ほど大きく作られています。
価格は運転席側と助手席側を合わせて、¥8,000円 ~ ¥10,000円程になります。
降雪中の走行は視界が悪く危険を伴うため、¥8,000円 ~ ¥10,000円程の費用をかけてでも購入する価値はあります。
【 ワイパーブレードも雪専用 】
降雪時はワイパーゴムのほか、ワイパーブレードにも雪専用があります。
『冬専用のワイパーブレード (ウィンターブレード)』から引用
寒冷地ではワイパーブレードの支持金具が凍結し、フロントガラスに押し付ける力は不均一となり、拭きムラや縞状のスジを生じることがあります。
支持金具を凍結から守るために、支持金具をゴムで覆ったウィンターブレードがあります。
降雪地域など寒冷地を走行する場合は、ウィンターブレードに交換することで払拭機能の低下を避けることができます。
ワイパーゴムの断面形状
ワイパーゴムの断面形状は台形や複雑な形状など様々あります。
交換時はワイパーブレードにあわせた断面形状を選んで取り付けます。
ワイパーブレード取付部と異なる形状では、正しく取り付けることはできません。
無理に押し込んで取り付けた場合、ワイパー作動中に不具合が生じ払拭性能に影響を及ぼす恐れがあります。
ワイパーゴムの幅
- 6mm
- 7.5mm
- 8.5mm
- 9mm
- 10mm
ワイパーゴムの幅は、ワイパーブレードに適切かつ確実に取り付けられるよう、複数の『幅』が設けられています。
交換時はワイパーブレードに適した幅 (現在取り付けられているワイパーゴム幅と同じ幅) のワイパーゴムを選びます。
例えば、ワイパーゴム幅:6mmが取り付けられている場合は、交換の際も6mm幅に交換します。
ワイパーゴム幅は狭くても広くても良いことはなく、異なる幅を取り付けた場合は払拭性能に影響を及ぼす恐れや作動時に外れることがあります。
ワイパーゴムの長さ
ワイパーゴムは幅のほかに長さも決められています。
長さにおいても、現在取り付けられているワイパーゴムと同じ長さを取り付けて下さい。
車種によっては左右で長さが異なる場合があります。
必ず運転席側と助手席側の2本の長さを確認してから購入するようにします。
まとめ
- ワイパーゴムの種類は5種類あります(スダンタード、グラファイト、撥水コート、油膜取り、雪用)
- ワイパーゴムの形状は台形や複雑な形状など複数あり、ワイパーブレードの取り付け形状にあわせて購入します。
- ワイパーゴムの幅は、6mm、7.5mm、8.5mmなど複数あります。ワイパーブレードの取り付け幅にあわせて購入します。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。