ワイパーゴムの寿命や劣化の症状について気になったことや知っておきたいと思ったことはないでしょうか。
ワイパーゴムの寿命は使用環境や使用頻度により大きく変わります。
当記事では、ワイパーゴムの寿命の目安や劣化の症状、また劣化を防止する方法についても解説します。
ワイパーゴムの寿命の目安
ワイパーゴムの寿命の目安は1年に1度です。
ただし、使用環境 (紫外線、酸、泥、ホコリ、花粉、気温など) やワイパーの使用頻度から異なり、屋外保管と車庫保管 (屋内保管) では寿命や劣化に大きく差が見られます。
紫外線、酸、泥、雨、花粉などに多く当たる環境下では、寿命は早くなり半年 (6ヶ月) で交換の場合があります。
反対に車庫や屋内保管の機会が多く紫外線や雨を避ける環境下では2年に1度の交換でも充分な場合があります。
また、ゴム類は使用頻度や環境下に問わず経年劣化をします。
ワイパー製造年月日の確認方法
ワイパー先端部にはワイパーの製造年月日が刻印されており、下2桁から確認ができます。
下2桁の数字に『19』と刻印がある場合は、2019年に製造したワイパーになります。
ワイパーゴムの劣化の症状
- ヒビ割れや変形が生じ弾性力 (弾力) が低下
- 縞状のスジが残る
- ワイパー作動時にビビリや異音 (キーキー、ガッガッガッ)
- 拭きムラが生じる
- にじみが生じる
縞状のスジが残る
ワイパーゴムの硬化やヒビ割れ・切れなどが原因で、フロントガラスに縞状のスジが残ります。
ワイパーゴムの硬化は縞状のスジが残るほか、フロントガラスに傷をつける恐れがあります。
フロントガラスに傷が生じた際は、要する費用や時間は多くなることが懸念されますので、縞状のスジが生じた際は早めに交換することが良いです。
異物が原因の場合
ワイパーゴムとフロントガラスの間に異物が挟まっている場合にも縞状のスジを生じることがあります。
異物を取り除くには、濡れタオルで拭き取るなどします。
ワイパー作動時にビビリや異音 (キーキー、ガッガッガッ)
【 出典元:NWB 】
ビビリとは、作動中のワイパーが連続的に跳ねる現象です。
ビビリと同時にキーキー、ガッガッガッなどの異音を発することがあります。
ビビリ (跳ね) が生じる原因は、劣化により硬化したワイパーゴムとフロントガラスの摩擦抵抗が大きく引っかかるためです。
また、劣化に伴いワイパーゴムが変形しフロントガラスとの当たり角が狂うことでビビリを生じる場合もあります。
拭きムラが生じる
【 出典元:NWB 】
正常のワイパーはフロントガラスに均一 (均等) な力がかかります。
従って、ワイパー作動後のフロントガラスは均一に拭き取られるため、『拭き残し』はありません。
しかし、ワイパーゴムが劣化した場合は、弾性力 (弾力) が不均一になることからフロントガラスにかかる力も伴って不均一になります。
フロントガラスにかかる力にバラつきがあるため、『拭き残し』や『拭きムラ』が生じます。
拭きムラが生じる原因においても、ワイパーゴムの硬化や断片的なヒビ割れです。
にじみが生じる
著しく劣化したワイパーゴムは硬化やヒビ割れなどから『にじみ』を生じます。
『にじみ』は厚い水の膜や大きな水のスジを生成し、厚い水の膜が障害となり前方の視界は非常に悪くなります。
拭き残しなど劣化の症状が見えたら即交換
ワイパーゴムの寿命の目安は1年に1度ですが、劣化の症状が見られた際は払拭性能が衰え交換が間近に迫っていますので、1年に1度を待たずして早期に交換する必要があります。
特に『拭き残し』や『にじみ』は、夜間走行時に光を乱反射しフロントガラスがギラつきます。
フロントガラスのギラつきは前方の視界を著しく悪くし非常に危険です。
外観の変化
- ヒビ割れ
- 欠け (切れ)
- 弾性力 (弾力) の低下
- ゴムの硬化
- 形状変形
ワイパーゴムの劣化防止
- 保管時はワイパーを立てておく
- フロントガラスに固着した状況下で作動しない
- しつこい汚れを無理にワイパーで取らない
- 車庫保管 (屋内保管)
- フロントガラスが乾いている時に作動しないこと
- ワイパーゴムの汚れを拭き取る
保管時はワイパーを立てておく
ワイパーを立てておくことはワイパーゴムとフロントガラスは非接触になるため、ワイパーゴムの変形やフロントガラスとの固着を避けることができます。
夏季の固着
夏季にワイパーゴムが固着する原因は、夏の炎天下や高温による固着 (溶着) です。
冬季の固着
冬季にワイパーゴムが固着する原因は、ワイパーゴムとフロントガラスの凍結による固着です。
フロントガラスに固着した状況下で作動しない
夏季や冬季では、ワイパーゴムとフロントガラスは熱影響や凍結から、固着 (溶着) することがあります。
固着 (溶着) しているワイパーを無理に作動することは、ワイパーゴムの破損に繋がります。
運転前に固着を取り除いておくことで (ワイパーゴムを手動で動かすなど) 、無理なワイパー作動することはありません。
しつこい汚れを無理にワイパーで取らない
しつこい汚れや頑固な汚れをワイパーで無理に取ることは、ワイパーゴムに負荷がかかり破損や劣化を早めます。
ワイパーで取り除けない汚れは、車から降りて手で取り除くようにします。
車庫保管 (屋内保管)
車庫など紫外線、酸、花粉、雨などを避ける環境で保管することは大きな劣化防止になります。
フロントガラスが乾いている時に作動しないこと
ワイパーはフロントガラスが濡れた状況下で使用することを前提に造られています。
乾燥したフロントガラスでは、摩擦抵抗が大きく通常に比べ大きな負荷がかかります。
また乾燥時の作動は、ワイパーゴムにホコリや粉塵が付着しスポンジの様に水分を寄せ付けるほか、蒸発にも時間を要します。
ワイパーゴムは長時間に渡り水分に触れるため、劣化の進行は早くなります。
劣化防止には、ワイパーを乾いた状況下で作動しないことです。
ワイパーゴムの汚れを拭き取る
ワイパーゴムの汚れを拭き取ることは、水分を寄せ付けるホコリや粉塵を取り除くため劣化防止に繋がります。
ワイパーゴム劣化防止グッズ
【 出典:Amazon 】
【 出典:Amazon 】
ワイパーゴムとフロントガラスの間に隙間を作り、固着 (溶着) や変形防止に働くグッズが販売されています。
寿命を迎えたワイパーゴムを交換しないとどうなる?
ワイパーの払拭性能は衰えていますので、良好な視界は確保できず安全走行に支障をきたすほか、最悪の状況は運転中に作動中のワイパーが切れてしまい、ワイパーが使えなくなることです。
またビビリなどの振動は、ワイパー機構や周辺部品へ不要な振動を伝え悪影響を及ぼします。
著しく悪い視界は車検に通らない
- 著しく視界が悪い
- 裂けや切れが見られる
- ワイパーゴムとフロントガラスが非接触
フロントガラスの拭き残しや前方の視界が著しく悪い場合や、ワイパーゴムに裂けや切れがある場合は、車検に通りません。
また、ワイパーゴムの変形からフロントガラスと非接触の場合も車検には通りません。
まとめ
- ワイパーゴムの寿命の目安は1年に1度の交換ですが、使用頻度や環境により短くも長くもなります。1年に1度にこだわらず、劣化している場合は早期に交換の必要があります。
- ワイパーゴムの劣化の症状は、拭き残しや外見の変化 (ゴムのヒビ割れやゴムの変形) があります。
- ワイパーゴムの劣化防止には、車庫保管 (屋内保管) 、汚れの拭き取り、保管時にワイパーを立てておくなどがあります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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