車を走行中に水温計の針がいつもと違う位置を指している場合、エンジンや冷却系に何かしらの故障・異常があると疑われます。
特に、エンジンの温度が低い場合は、『サーモスタット』の故障が考えられます。
サーモスタットが故障した際の修理や交換費用はいくらかかるのでしょうか。
当記事では、サーモスタットが故障した際の修理や交換にかかる費用とサーモスタットの寿命についてお伝えしていきます。
交換時期の目安や費用がわかることで、走行中の故障を未然に防ぐことや車の買い替え予定に役立てればと思います。
もくじ
サーモスタットの修理費用
サーモスタットを修理をした際の費用は、車種や交換するガスケット類により多少の差はありますが、概ね以下の費用がかかります。
なお、サーモスタットを交換する際は冷却水が流れ出ますので、流れ出た分の補充や全量交換の費用が別途かかります。
冷却水は1リットル約1,000円の費用がかかり、乗用車の場合は約3リットル使用しますので約3,000円の費用がかかります。
サーモスタットの交換費用
- サーモスタット代 :約1,500円~約2,000円
- 冷却水 :約1,000~約3,000円
- Oリングやガスケット :各 約200円
- 工賃 :約4,000円~約7,000円
- 合計 :約6,700円~約12,200円
サーモスタットの部品代はそれ程高くはありませんが、工賃や冷却水を全て交換した場合の費用を含めると、部品代に比べて6倍~8倍高くなります。
サーモスタットの中古品
サーモスタットの価格を抑えるために中古品のサーモスタットの使用を思われることがありますが、サーモスタットの寿命が短いため交換回数が多くなり、安く抑えるつもりが工賃が高くついてしまいます。
中古品は店舗によって品質と価格が釣り合わないことが大いにあります。
自分で交換
工賃を抑える為に自ら交換する考えもありますが、サーモスタットはエンジンに関わる部品になりますので、交換の際はディーラーや整備工場などの専門店に依頼をすることが確実です。
サーモスタットの故障の原因と症状
- 水温計の警告灯が点灯
- オーバーヒート
- オーバークール
サーモスタットが故障する多くの理由はバルブ(弁)の『固着』です。
サーモスタットは冷却水の流路を切り替えるバルブの為、バルブが固着をしてしまうとバルブ開閉の切り替わりが行われなくなり、冷却水は決められた流路を流れません。
その結果、水温計の警告灯が点灯したり、『オーバーヒート』や『オーバークール』を起こします。
水温系の警告灯が点灯
水温計の警告灯が点灯した場合は、安全な場所を探しすぐに車を停止してください。
近くにディーラーや整備工場がある場合は冷却水の温度が下がり次第、ディーラーや整備工場に向かいます。
水温計の警告灯が点灯した場合は、サーモスタットの他に以下の冷却水の漏れが考えられます。
- ウォーターポンプ
- ラジエター
- ラジエターホース
- サーモスタット
いずれの場合も冷却水が漏れた場合は、オーバーヒートを起こしエンジンの破損や車両火災に繋がりますので、早期に修理が必要です。
オーバーヒート:バルブが閉じて固着
サーモスタットのバルブ(弁)が閉じた状態で固着をすると、冷却水はラジエターに導かれず(経由せず)、冷却水の熱を放熱することができません。
冷えていない冷却水が循環し、エンジンの冷却不足からオーバーヒートや焼き付きを起こす恐れがあり、場合によっては車両火災に繋がることやエンジンを載せ替えなくてはならないこともあります。
オーバークール:バルブが開いて固着
- シリンダーとピストンの適正なクリアランスが保てない
- ピストンリングの磨耗
- インテークマニホールドやスロットルボディーの暖気
- エアコンのヒーターの効きが悪くなる
- アイドリング回転数が高くなり燃費に影響する
サーモスタットのバルブ(弁)が開いた状態で固着すると、冷却水は常にラジエターに導かれ(経由し)ラジエターを通る間に放熱します。
常にラジエターを通る(経由する)ため、エンジンを冷却する必要が無い場合もエンジンを冷却してしまい、その結果エンジンの暖まりが遅くなります。
シリンダーとピストンは、熱膨張により適正なクリアランスを保つようになっていますが、冷えた状態では適正なクリアランスとはなりません。
それだけではなく、シリンダーが過剰に冷却されピストンリングの磨耗に繋がることや、インテークマニホールドやスロットルボディーを暖めたりもするので、エンジンにとっても困ることになります。
車内においては、エンジンの暖まりが悪いことでヒーターの効きが悪くなります。
オーバークールでは、オーバーヒートのようにエンジンが損傷することはありませんが、アイドリング回転数が高くなり燃費には影響を及ぼします。
サーモスタットの寿命
サーモスタットの寿命は10年・10万kmが目安です。
サーモスタットは消耗品というよりは、調子が悪くなった時に交換する部品です。
積載量が多い商用車では、温度上昇が頻繁にあるため寿命が短い傾向にあり、乗用車の場合であっても、使用頻度や年数が経つにつれて温度に対する反応が鈍くなる傾向が見られます。
10年・10万kmは目安であるため、水温計の上がり方が異常に遅い場合やヒーターの効きが悪い場合は、10年・10万kmを待たずに確認するようにしてみましょう。
同じ時期に寿命がくる冷却系の部品に、『タイミングベルト』や『ウォーターポンプ』などがあります。
交換できそうな部品はこの際に交換しておくことが、工賃や時間の面において得策です。
サーモスタットの仕組み
サーモスタットは開閉『弁』です。
弁の開閉により流路の切り替えを行い、冷却水を適温にコントロールしています。
温度センサーによりあらかじめ決められた温度になると、『開閉弁』が開いたり閉じたりし流路の切り替えを行います。
流路の切り替えにより、冷却水をラジエター経由にするか経由しないかをコントロールし冷却水の適温を保っています。
冷却水が熱い時
冷却水が熱い時は、冷却水を冷やさなくてはならないため、サーモスタットのバルブ(弁)が開きラジエターへの流路を開けています。
この時、ラジエターへ冷却水を流すためにバイパスは閉じています。
ラジエターへの流路が開いているため、冷却水はラジエターを経由することができ、ラジエターを経由する間に冷やされてエンジンを循環します。
循環する冷却液の量はほぼ全ての量が循環します。
冷却水が冷えている時
冷却水が冷えている時は、それ以上冷やす必要がないためサーモスタットのバルブ(弁)は閉じてラジエターへの流路を閉ざします。
ラジエターへの流路を閉ざした代わりに、別に開いているバイパスを通りエンジンを循環し冷却します。
この時に循環する冷却水は少ない量が循環します。
まとめ
- サーモスタットの修理費用は、工賃を含めて約6,700円~約12,200円の費用がかかります。
- サーモスタットの寿命は、10年・10万kmが目安ですが、運転の仕方でそれより早く寿命がくることもあります。
- サーモスタットが故障する原因は弁の固着です。
- サーモスタットが故障をすると、オーバーヒートやオーバークールを起こします。
7年経過の車は修理を続けると損をするの?買い替える判断基準についても
走行距離が7万kmに差し掛かかると車の寿命が近づく為、修理や故障の頻度が多くなります。
そんな時に、『修理してもう少し乗り続けようか』 それとも『思い切って買い替えようか』と悩んでしまいます。
大きなお金が動くため、どちらを選択した方が損をせず得になるか判断に迷いが生じます。
10万kmに差し掛かり寿命が近づく車は修理をすると損をします。
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