エンジン冷却系統の1つにあるラジエターのリザーバータンク(リザーブタンク)には、クーラント(ラジエター液)が入っていますが、一体、タンクは何をする目的でついているか?
どういった仕組みになっているか?
疑問に感じたことがある方もいらっしゃると思います。
当記事では、リザーバータンクの構造や仕組み、役割りについて解説します。
リザーバータンクの仕組みや構造がわかることで、オーバーヒートなどのトラブルを防ぐことができます。
もくじ
リザーバータンク(リザーブタンク)の構造と仕組み
リザーバータンクはラジエターキャップとゴムホースで繋がれており、ラジエター液を溜めておく予備タンクです。
”予備”とありますが、何かが起きた緊急時にのみ使用するわけではなく常時使われており、ラジエター本体とリザーバータンクの間をクーラントが常に往来しています。
外観は名前の通りクーラントを溜めておく『タンク』ですが、重要な役割りを担っています。
リザーバータンクの仕組み
【 出典_モノタロウ 冷却装置の構造 】
リザーバータンク(リザーブタンク)がどの様に作用しているか仕組みを解説していきます。
エンジン暖気時の作用
クーラント(ラジエター液)はエンジンを冷却する工程で、クーラントそのものの温度が上昇します。
クーラントの温度が上昇すると体積が膨張し、循環する流路の内圧は上がります。
内圧が上がった流路は、内側から破裂や破損する恐れがあります。
密閉を維持していては循環流を破損する恐れがあるため、あらかじめ定められた内圧になるとラジエターキャップの弁を開き内圧を逃がします。
開いた弁の先(内圧の逃げ道の先)は、リザーブタンクに繋がっており、内圧の上昇に起因して溢れたクーラントはリザーバータンクに流れ一時的に溜められます。
温度上昇により溢れそうなクーラントは意図的に溢れさせてリザーブタンクに溜めておくと共に流路の破損を防いでいます。
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エンジン寒気時の作用
エンジンの温度が下がり循環流路の内圧も下がると、体積が収縮するため吸い込む力(負圧)が生じます。
負圧の吸い込む力を利用し、リザーバータンクに一時的に溜めておいたクーラントをラジエターに引き戻します。
再びエンジン温度が上昇すると暖気時の作用を繰り返し、エンジン温度が下降すると寒気時の作用を繰り返します。
リザーバータンク(リザーブタンク)の役目
リザーバータンク(リザーブタンク)は、エンジン温度やクーラント温度により、内圧が上がった循環流路から溢れるクーラントを一時的に溜めておくタンクです。
適正なクーラント量の確認方法
リザーバータンク(リザーブタンク)には、『FULL』と『LOW』が刻印されています。
『MAX-MIN』や『UPPER-LOWER』と刻印してある場合もあります。
FULLは満杯、LOWは低いを意味します。
リザーバータンクの水量をエンジン暖気時と寒気時で比較すると、暖気時は寒気時に比べ水量は多くなります。
リザーバータンクの水量(水位)はエンジンが冷えた寒気時に確認をします。
エンジンが冷えている時の水量(水位)は、FULLとLOWの中間を理想としますが、必ずしも中間の水量でなければならいないものではなく、FULLとLOWの間のどこかであれば問題ありません。
エンジン寒気時にFULL付近まで水量(水位)があると、エンジン暖気時にリザーバータンクからクーラントが溢れ出す心配がある場合は、中間付近にしておいても良いです。
まとめ
- リザーバータンクは、クーラントを一時的に溜めておく予備タンクです。
- リザーバータンクは、エンジンの暖気時と寒気時で水量が増減します。
- 適正なクーラントの量は、リザーバータンクのFULLとLOWの間が理想です。
修理するか買い替えるか?
走行距離が7万kmに差し掛かかると車の寿命が近づく為、修理や故障の頻度が多くなります。
そんな時に、『修理してもう少し乗り続けるようか』 それとも『思い切って買い替えようか』と悩んでしまいます。
大きなお金が動くため、どちらを選択した方が損をせず得になるか判断に迷いが生じます。
寿命が近づく10万kmに差し掛かろうとしている車を修理するのであれば、この先のことを考えると『買い替える方が得』をします。