BMWは2018年5月10日に国土交通省にリコールの届出を行いました。
リコール内容は、排ガス対策装置(ブローバイガス還元装置)に発火の恐れがあるとのことで、25車種、合計70,978台(2005年10月~2011年12月製造)が対象です。
今回のリコールでBMWはどのような対応・補償、改善措置をするのでしょうか。
その点についてお話していきたいと思います。
もくじ
リコールの対応や補償内容
不具合部品の改善措置について
BMWでは今回リコールで対象になっている全車両に対して、不具合が出ているブローバイガスヒーターを対策品に交換するとしています。
リコール案内の通知について
リコール対象車種を所有している方には、ダイレクトメールで案内を通知するようにしています。
リコール開始日について
リコール開始日については、準備が整い次第開始します。
改善実施車両には
【ドアロックストライカー (ドアストライカー) 】
対策品に交換した(改善実施済み)車両には証明として、運転者席側ドア開口部のドアロックストライカー(ドアストライカー) 付近に、今回のリコール届出番号『外-2623』 のステッカーを貼付します。
リコール対応のお問い合わせ先
BMWのリコールに関するお問い合わせは、以下のBMWのホームページからも確認ができます。
『リコール情報一覧はこちら』をクリックすると、『リコール等情報一覧』が閲覧できます。
【引用:BMW リコール情報】
https://www.bmw.co.jp/ja/topics/service-and-accessory/service/recall-info/overview.html
【引用:BMW 各種お問い合わせ】
https://www.bmw.co.jp/ja/topics/service-and-accessory/customer-support.html
電話 0120-269-437
年中無休
運営時間 平日 9:00 - 19:00 / 土日祝 9:00 - 18:00
【引用:国土交通省 リコール車種確認】
http://carinf.mlit.go.jp/jidosha/carinf/ris/index.html
ブローバイガス還元装置
今回のリコール問題は、『ブローバイガスヒーター』ですが、その前に『ブローバイガス還元装置』についてお話をしていきます。
ブローバイガス還元装置の ”ブローバイ” とは、『吹き抜ける』という意味になり、ブローバイガスは『吹き抜けたガス』という意味になります。
従って、ブローバイガス還元装置は『吹き抜けたガスを還元する装置』という意味になります。
具体的には、エンジンには『吸気』『圧縮』『燃焼』『排気』の4工程がありますが、 この中の『圧縮』と『燃焼』工程で、シリンダー内の混合気・燃焼ガスが少し漏れてしまいます。
基本的には、シリンダーとピントンリングで混合気・燃焼ガスが漏れないようにしていますが、特に『圧縮』工程では混合気が漏れてしまいます。
この2つの気体は、エンジンオイルの劣化やエンジン内部を錆させる原因になるため、大気に逃がしていました。
しかし大気汚染や環境問題から、この漏れた混合気と燃焼ガスを吸気系に戻すことになりました。
この吸気系に戻す装置が、『ブローバイガス還元装置』になります。
今回のリコール問題は、ブローバイガス還元装置の中にある『ブローバイガスヒーター』になります。
次は、『ブローバイガスヒーター』について解説をしていきます。
ブローバイガスヒーターとは
出典:『国土交通省 改善箇所説明図』
http://www.mlit.go.jp/common/001234128.pdf
リコール問題になった『ブローバイガスヒーター』という部品の役目は、吸気系に戻された『燃焼ガス』の温度が下がらないようにする部品です。
なぜ温度調整が必要になるかというと、吸気系に戻された『燃焼ガス』は、そのままでは膨張してガスに含まれる水分が氷となってしまいます。
氷になるとターボチャージャーに損傷を与えてしますので、氷にならないように温度調整をします。
今回のリコール問題では、ブローバイガスヒーターを製造する際に、何かしらの理由でうまく加工(製造)がされずに、それが原因となり『クラック』が入るようになりました。
クラックが入った部分から水分が入り込み、その内部にある電熱線ヒーターの回路がショートするということでリコールが実施されました。
【ブローバイガスヒーター】
引用:http://m.littelfuse.com/products/automotive-sensor-products/emissions/heater/blow_by.aspx
クラックとは
クラックとは、『ひび割れ』や『亀裂』、『裂け目』という意味です。
工業製品では、樹脂(プラスチック)部品や金属部品で使われます。
完全に破壊された状態ではなく、『ヒビ』が入った状態を言います。
(例) 樹脂部品にクラックが入った。などと使います。
金属では、曲げや破断のイメージが多いですが樹脂同様に金属も『ひび割れ』を起こします。
樹脂(プラスチック)や金属を問わず『ひび割れ』『亀裂』などを総称して、『クラック』と言います。
まとめ
- リコール対象全車の不具合部品を対策品に交換します。
- リコール案内はダイレクトメールにて通知します。
- リコール開始日は、準備が整い次第の開始になります。
- 改善実施済みの車両にはドアロックストライカー付近に、リコール届出番号『外-2623』のステッカーを貼付します。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。