ある日、突然のバッテリーが上がりを経験してしまった方や、そうでない方であっても、車に乗っていれば2年~3年に一度はバッテリーの寿命が迫り、新品のバッテリーに交換をしなくてはなりません。
その都度、ディーラーなどにお任せする事もできますが、できれば自分で交換してみたいと考えたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
難しそうなイメージや電気に対する感電などの不安なイメージがありますが、思ったよりも作業は簡単で、やる事も少なかったりします。
一方で誤った作業を行えば危険を伴います。
作業手順や抑えるべきポイントを、正しい作業で行えば安全に交換ができます。
ここでは自分でバッテリー交換をする際の順序について解説していきます。
もくじ
バッテリ交換時の注意点
- バッテリーは常に水素ガスが発生しています。また電解液には希硫酸が使われていますので、取り扱いや作業順序を誤ると火災や事故に繋がります。
- メモリーのバックアップをとらなくてもできるとの理由で、エンジンを始動した状態でバッテリー交換する方法もありますが、電装品への負担も多くかかりますし、何よりもベルトに巻き込まれるなど、非常に危険な行為ですので絶対におすすめしません。
エンジンを停止して行うこをおすすめ致します。 - バッテリーのターミナル部を外すとメモリーがリセットしてしまいますのでバックアップをとることをおすすめします。
バックアップを取らずに作業すると、時計やラジオ、カーナビ、パワーウィンドウなどの再設定が必要になります。
パワーウィンドウなどの再設定はディーラーにて行うことになります。
バッテリ交換に必要なもの
- 新品のバッテリー (規格に沿ったもの)
- 工具 (スパナ)
- ゴム手袋 (感電防止、希硫酸からの保護)
- 保護メガネ (希硫酸から目を保護)
- メモリーバックアップ
- 作業着 (もしくは汚れや穴があいてもよい服装)
- 腐食防止用のグリス (バッテリーターミナル塗布)
- ワイヤーブラシあるいは紙やすり (バッテリーターミナル)
旧バッテリーから新品バッテリーへの交換の順序
まずはメモリーのバックアップから
【出典:Amazon】
メモリーのバックアップをとらずにバッテリー交換をしてしまうと、その瞬間に時計やラジオ、カーナビ、パワーウィンドウ等の設定がリセットしてしまいます。
リセットしてしまうと、全てを再設定しなければならなくなります。
パワーウィンドウはディーラにて再設定を行うことになります。
そうならない為にも、メモリーのバックアップを取ってから、バッテリー交換の作業に移ります。
メモリーのバックアップについて大まかに説明しますと、バッテリーを外してしまうと、電気の供給源がなくなりますので、電装品のメモリー(記憶・設定)がリセットしてしまいます。
電気の供給を絶たなければリセットはしませんので、バッテリーを外している間は、一時的にバッテリーの代わりになる機器を利用して、電気の供給をします。
このようにしてメモリーがリセットしないように保護します。
メモリーのバックアップをとる機器は、カー用品店でお買い求めできます。
大きさは小物と言える程の大きさしかありませんし、購入金額も何百円~3000円位とお買い求めしやすい価格設定です。
2000円もあれば充分に満足できる商品がほとんどですので、メモリーのバックアップをとることをおすすめします。
メモリーのバックアップ方法
購入時に付属している取扱い説明書に従った作業方法が一番確実で安全ですので、取扱説明書に従って作業することをおすすめしますが、ここではイメージをつかんでいただく為に、参考までにご説明いたします。
まずはエンジンを停止し、その他の電装品のスイッチは全てOFFにします。
step
1保護メガネとゴム手袋の着用
保護メガネとゴム手袋を着用します。
安全の為に、保護メガネとゴム手袋は全ての作業が完了するまで着用するようにします。
step
2ステーを外す
バッテリーを上から抑えている(固定)、ステート呼ばれるものを外します。
ナット2ヶ所で固定してありますので緩めて外します。
この時に外したステーをマイナス端子、プラス端子同時に触れないようにご注意ください。
もし触れるとショートして引火する恐れがあります。
step
3ワニクリップをはさむ
メモリーバックアップの機器には、赤(プラス)、黒(マイナス)のワニ口クリップありますので、赤(プラス)のワニ口クリップを、バッテリーのプラスターミナルにはさみます(赤いカバーをずらしてはさみます)
step
4マイナスをはさむ
次に、黒(マイナス)のワニ口クリップをバッテリーのマイナスターミナルにはさみます。
step
5次はバッテリーを外す
次はターミナルとバッテリーを外ず作業に移ります。
バッテリーを外す順序
バッテリーの赤いカバーがついている方がプラス側です。
取り外しの前に写真を撮っておくと、バッテリーの取付け時に向きを確認できます。
step
1スパナを使用して必ずマイナス側(-)から外します
この時にスパナが車体の金属部分に接触しないよう気をつけてください。
スパナが金属部分に接触した瞬間にショートし火花が飛びます。
エンジンルーム内には引火しやすい気体が溜まっていることもありますので、引火する事も考えられます。
step
2次はプラス側を外します
同じようにスパナを使用し外します。
この時もスパナが車体の金属部分に接触しないように充分お気をつけください。
外したマイナス端子とプラス端子と直接接触したり、マイナス端子とプラス端子同時にスパナが触れるとショートして引火の恐れがります。
そうならないように、外したプラス端子が車体の金属部分に接触しないよう、軍手などを使って養生することをおすすめします。
(例)軍手をポケットのようにしてプラス端子部分を軍手の中に入れるように養生します。
step
3古いバッテリーを外す
古いバッテリーを外します。
バッテリーは重量がありますのでしっかりと持ち上げます。
step
4ターミナル部を洗浄
新しいバッテリーを取り付ける前に、ターミナル部を綺麗に洗浄しておきます。
この時もプラスターミナルとマイナスターミナルが接触しないようにお気をつけください。
受け皿が汚れている場合は、受け皿を綺麗に洗っておくと良いです。
新しいバッテリーの取り付けに移ります。
バッテリーを取付ける順序
step
1取り付けの前にプラス側とマイナス側の向きを確認します
新しいバッテリーを箱から取り出す際に、端子キャップは安全を考慮し(ショート防止)、
つけた状態で車体に取り付けます。
step
2バッテリーの取り付け
バッテリーが正しい位置にあることを確認し、バッテリーを固定するステーを取り付けます。
ナット2ヶ所で固定します。
この時にナットはどこまでも締まっていきますので、締めすぎないようにします。
あまり締め過ぎるとバッテリーが変形してしまうことや、Jボルト(ジェーボルト)の下部が破損してしまうことがあります。
緩すぎる場合も走行時の振動で緩む恐れがありますので、しっかり固定できるよう適度に締めます。
step
3バッテリー端子に付属してある、端子キャップを外しプラス側(+)から取り付けます
この時にターミナルのボルトを緩めてしっかりと広げ、バッテリー端子の下まで確実に押し入れてナットを締めます。
確実に押し入れていない場合は振動で緩むことがあります。
step
4もう一方の端子キャップを外しマイナス側(-)を取り付けます
プラス側(+)の時と同様に確実に下まで押し入れてナットで締めます。
step
5腐食防止のためにターミナル部に腐食防止グリースを塗ります
腐食防止のグリースを塗布することで、次回のバッテリー交換がスムーズに進みます。
メモリーバックアップを外す順序
メモリーバックアップを手順に沿って外します。
step
1マイナス (黒) を外す
最初に黒いワニ口クリップ(マイナス)から外します。
step
2プラス (赤) を外す
次は赤いワニ口クリップ(プラス)を外します。
step
3ステーの取り付け
ステーを取り付けます。
取付け後は各取付け部が確実に固定してあるか確認します。
step
4エンジン始動の確認
取り付け完了です。
エンジンがかかるか確認して作業は終了です。
外したバッテリーの処分
外して不要になった旧バッテリーは購入したお店にお渡ししますとリサイクルされます。
まとめ
- バッテリーの取外しは、マイナス(-)から。次にプラス(+)を外す。
- 取付けは、プラス(+)から。次にマイナス(-)を取付ける。
- 端子同士の接触やスパナと端子の接触、スパナと車両金属部分の接触はショートする。
- バッテリーからは水素ガスが常に発生している。
- エンジンルーム内は引火しやすい気体が溜まっている。
- バッテリーの電解液は希硫酸。
- エンジンは停止して作業する。
事故や火災に繋がらないようにするポイントは上記が挙げられます。
その他にメモリーのバックアップを取る作業が付け加えられます。
バッテリー交換の作業自体はそれほど多くの作業はありませんし、取扱いを間違えなければ、思ったよりも簡単で安全に作業ができます。
一方で取り扱いを間違うと事故や怪我に繋がりますので、作業前に確認や準備を充分にします。
以上を守って作業することで安全にバッテリー交換が行えます。
関連記事>>>『車がバッテリー上がりを起こす原因と理由は?対策と対処法を解説【自宅編】』
最後までお読みくださり、ありがとうございました。