この記事では『バッテリー充電器』による充電の仕方について紹介します。
バッテリー上がりを起こしてしまった際や、バッテリーが減ってきたと感じた時には、『バッテリー充電器』を使用し充電することができます。
充電後はエンジンがかかるようになりますので非常に助かります。
『バッテリー充電器』を扱うことに難しそうなイメージを持たれるかもしれませんが、作業手順はシンプルでわかりやすいものです。正しい使用方法を身につけることで、安全に作業ができますし、バッテリーが減った際にも気軽に充電ができますので
覚えておくと役立つことがあります。
もくじ
バッテリー充電器の使用法
ブースターケーブルの使用と同じく手順を守ることで安全に作業ができまが、作業手順を誤るとショートや火災による事故や怪我に繋がります。
ブースターケーブルの使用については、『ブースターケーブルを使用する方法』の記事で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。
充電器について覚えておくことは、ブースターケーブルと同じく、充電器の場合もケーブルの極は、
- 赤ケーブル:プラス端子
- 黒ケーブル:マイナス端子
充電時に注意すること
- バッテリーは車両から取外し降ろしておきます。
バッテリーの取外しについは、『バッテリーを外す順序』にて詳しく解説しています。 - 赤(+)、黒(-)のケーブルは正しく接続します。
- 液口栓(電解液を補充する口)のキャップ(6ヶ所)を全てあけて充電を行います。
充電中に発生する大量の泡でバッテリーの内圧が上がるため、内圧の逃げ道としてキャップをあけておきます。
キャップをあけずに充電を行った場合には、バッテリーが破損・爆発する危険がありますので、キャップは全てあけて作業を行います。 - 充電時は液口栓から水素ガスが発生する為、風通しの良い所で作業は行います。
- 火の気の無い場所で行います。
バッテリーの取外しについては、『車のバッテリー交換を自分でする時の順番は?メモリーのバックアップについても』をご覧ください。
バッテリー充電器のつなぎ方
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1電源の確認
必ず充電器の電源がOFFになっていることを確認します。電源は最後に入れます。
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2端子の位置を確認
これから接続するバッテリーのプラス端子とマイナス端子の位置を確認します。赤いカバーがついている方がプラス端子です。
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3液口栓をあける
バッテリーにある、6ヶ所の液口栓(電解液を補充する6ヶ所のキャップ)を全て完全にあけます。
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4電圧の設定値を確認
充電する車の電圧と充電器の設定があっているか確認します。普通車の場合は12V、大型車の場合は24Vになります。
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5ケーブルと端子の接続
設定の確認を終えたら、充電器のケーブルとバッテリーの端子を同じ極で接続します。まずは、赤(+)ケーブルをバッテリーのプラス端子へ接続します。バッテリーのプラスには、目印に赤色のカバーが被っています。
カバーをずらし充電器の赤(+)ケーブルを接続します。
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6マイナス(-)端子の接続
次に黒(-)のマイナスケーブルをバッテリーのマイナス端子へ接続します。
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7接続後に電源を入れる
正しく接続した後に、充電器の電源を入れます。充電が開始します。後は充電が終えるのを待つのみです。
バッテリー充電器の外し方
step
1電源をOFFにする
まず充電器の電源をOFFにします。
OFFにする前にケーブルを外すとワニ口クリップから火花がでることがあります。
充電終了間際は水素ガスが特に多く発生し爆発の恐れもありますので、必ず電源はOFFにします。爆発時により電解液が飛び散ることも非常に危険です。
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2コンセントを抜く
OFFにした後コンセントを抜きます。
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3ケーブルを外す
全ての電源をOFFにした後、黒(-)と赤(+)のケーブルを外します。
充電後にすること
充電完了後、1時間くらいは車両に取付けずにそのままにしておきます。
充電完了後、1時間以内は水素ガスが発生し続けていますので、この状態で車両に取付ける
ことは爆発の危険があるためです。
充電に掛かる時間は?
バッテリーの容量による違いはありますが、バッテリーの充電を開始してから満充電になるまでには、およそ8時間~10時間程の時間を要します。ガソリンスタンドでは、急速充電器を使用し30分程度で充電する有料の方法もありますが、この方法はバッテリーへの負担が大きくなりますので、あまりおすすめはできません。
短時間で満充電にしたい場合は、バッテリー充電器で半分程度まで充電し残りの半分は車の走行にて充電する方法があります。
充電後に車で走るのであれば、走行している間に満充電になります。
バッテリーの充電の仕組みついて解説
バッテリーの充電にはバッテリー充電器の他に、自走による充電方法もあります。
充電の仕組みは同じですので、ここでは、自走による充電の仕組みについて解説していきます。
バッテリーの仕組みには2つの作用
バッテリーとは、電気を蓄える(たくわえる)『充電作用』と、蓄えた電気を使うための『放電作用』がある『蓄電池』のことです。
蓄電池とは、『充電』と『放電』の両方ができる電池のことです。
何かの為に電気を使い(放電)、電気がなくなったら再び充電をして、繰り返し使うことができる電池になります。
繰り返し使うことができますが、永遠に繰り返し使えるわけではなくいずれ寿命がきてしまいます。
蓄えた電気を使う放電作用でエンジン始動
あまり専門的にならないよう、大まかにざっくりと解説していきます。
エンジンを始動する時には何かのキッカケを与え、強制的にエンジンを回してあげなければなりません。
強制的に回す装置は、スターターと呼ばれるものです。
スターターとは、モーター軸に歯車を組み合わせた物です。
モーターを動かすと、モーター軸についた歯車も同軸にあるため回転をします。
この歯車とエンジンのシリンダー・ピストンの根元の部分と繋がっています。(クランクシャフトと呼ばれる所に繋がっています)
従って、モーター軸についている歯車が回転すると、シリンダー・ピストンが連動して動き出します。
この一連の流れがエンジン始動になります。
しかし、このスターター(モーター軸と歯車の組合せ)は、何かの力で動かさなければなりません。
スターターはモーターですので、電気の力で動くことになります。
その際に必要になる力が、バッテリーの電力です。
この時に、蓄えていた電力を放電(電力供給)します。
- バッテリーの電力を使用して(放電作用)、スターターの歯車を回転します。
- スターターの始動と同時に連結しているクランクシャフトが連動する。
- シリンダー・ピストンが動きだし、エンジン始動となる。
電気を蓄える充電作用の仕組み
エンジン始動のために何度も『放電作用』を繰り返していては、電力を多く使いますので、放電のみではいずれ電力が尽きてしまいます。
特にエンジン始動時に一番大きな電力を使います。
しかし、バッテリーには『充電作用』もあります。
放電が多くなった時には、蓄えてあった電力が少なくなりますので、減少した分の電力を充電をします。この繰り返しで長期使用を可能にしています。
充電をするには発電が必要になります。その発電はエンジンの回転を利用します。
エンジンの回転を利用し、オルタネーター(交流発電機)と呼ばれるもので電気を発電します。
発電した電気は、バッテリーを経由しエアコンやメーターパネルの照明、カーナビなどの電装品の電力として使われます。
一部はバッテリーに充電をします。
オルタネータが発電している際は、電装品への電力供給はオルタネータで発電した電力が使われてます。
バッテリーに充電された電力からは放電をしません。
電力消費が大きくなり、オルタネーターの発電量では足りなくなると、バッテリーに蓄えられた電力から電装品に電力供給をします(放電作用)発電はエンジンの回転を利用していますので、電気を多く使うとエンジンへの負担も大きくなります。(この点は各メーカーは対策をしています)
反対の作用で、エンジン回転数を上げるとオルタネータ(発電)が活発になり、発電量が多くなります。
バッテリーの充電はこのような仕組みで行われています。
バッテリーを効率的に充電するエンジン回転数の目安は、2000rpm~2500rpmと言われています。
時速でいうと50km/h ~ 60km/hくらいが目安です。
特にバッテリー上がりを起こしてしまい、充電が必要な時には目安にすると良いかもしれません。
- エンジン回転を利用して、オルタネーターの発電から電力を得る。
- 発電後の電力はバッテリーを経由し一部をバッテリーへ充電する。
まとめ
- バッテリー充電器の使用法はシンプルで正しい手順で行えば安全に充電することができる。
- 充電後は1時間程そのままにして置く。充電後1時間程度は水素ガスが発生している。
- バッテリー充電器を使用すると、満充電に8時間~10時間を要する。
- バッテリーの仕組みには、『充電作用』と『放電作用』がある。
- 『充電作用』には、エンジン回転を利用したオルタネータの発電から得た電力を充電する。
- 『放電作用』には、電力不足や電源として自ら電力供給を行う。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。