運転中に水温計の針が『H』付近を指している場合や、エンジンルームから『グツグツ』『ボトボト』と沸騰するような異音がする場合は、ラジエターの水漏れが疑われます。
ラジエターが水漏れした際は、早急な対応をしなければエンジンの致命的な破損に繋がります。
当記事では、ラジエターから水漏れした際の修理代を水漏れの原因とあわせてお伝えします。
ラジエターの水漏れの原因とは
- 飛び石による穴
- ラジエターホースの劣化
- 劣化した冷却水の使用
- ウォーターポンプの故障
- サーモスタットの故障
- ラジエターファンモーターの故障
飛び石による穴
車を走行中に前方を走る車の『飛び石』がラジエターに当たり、破損や穴が空き水漏れを起こします。
ラジエターホースの劣化
【 出典:Amazon 】
ラジエターホースは耐久性の高いゴムを使用していますが、温度変化の繰り返しや長期間の使用によりラジエターホースは劣化します。
劣化した所は亀裂や膨らみが生じ、最初は小さな亀裂や膨らみですが次第に大きくなり、やがて水漏れをおこします。
劣化した冷却水(ラジエター液)の使用
冷却水(ラジエター液)は2年 ~ 5年ほどで劣化をします(使用頻度により7年程使用できる場合もあります)。
交換を怠り劣化した冷却水(ラジエター液)は金属腐食や樹脂の劣化を促進させます。
ラジエターは樹脂成形、ウォーターポンプは主に金属から造られてします。(樹脂 = プラスチック)
劣化した冷却水を使用し続けた場合、ラジエターやウォーターポンプを構成する部品は著しく損傷しラジエターの水漏れを起こします。
ウォーターポンプの故障
【 GMB株式会社 ウォーターポンプの構造 】
ウォーターポンプはラジエター液を循環する原動力となるポンプです。
ウォーターポンプの構造部品には、シャフトベアリングやメカニカルシールなどがあります。
長期間の使用によりシャフトベアリングの磨耗やメカニカルシールの劣化、部品同士の摩擦から大きな隙間を生じ、ラジエターの水漏れが起きます。
サーモスタットの故障
サーモスタットが故障した場合、冷却水の温度変化に合わせた最適な流路(循環路)の切り替えが行われません。
本来、高温の冷却水は放熱用の流路(循環路)を通りますが、サーモスタットが故障しているため放熱用の流路を通れず温度は上がる一方となります。
次第に冷却水は沸騰しリザーブタンクなど冷却系統の一部から蒸気としてあふれ出し水漏れとなります。
ラジエターファンモーターの故障
ラジエターファンモーターは、ラジエターファンを駆動するモーターです。
ファンモーターが回転しない場合、冷却水(ラジエター液)を冷やすことができず冷却水(ラジエター液)の温度は下がりません。
冷却水(ラジエター液)の温度が上昇しリザーブタンクなどから冷却水(ラジエター液)が蒸気として吹き出し水漏れになります。
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『ラジエターファンが回らないのはモーターの故障が原因?交換費用はいくら?』
ラジエターの水漏れはオーバーヒートの原因
ラジエターの水漏れは、どのような場合であっても、エンジンのオーバーヒートや焼きつきなど致命的な破損に及ぶ懸念があります。
オーバーヒートや焼きつきが原因でエンジンを載せ替えなくてはならない場合もあります。
載せ替えにかかる費用はエンジン型式(V6など)にもよりますが、¥800,000円など高額な費用がかかります。
冷却系統に1ヶ所でも水漏れがある場合は、早期に修理や交換する必要があります。
ラジエターの水漏れ時の応急処置
ラジエターから水漏れした場合の応急処置には、冷却水(ラジエター液)の代わりに水を補充する処置があります。
しかし、水漏れの原因を解決したわけではありませんので、水を補充しても直ぐに水量が少なくなりオーバーヒートの懸念は拭えません。
無理をして走行するより、JAFやロードサービスに救援依頼することが損傷や修理代を大きくしません。
また、水には冷却水(ラジエター液)のように、防錆効果(錆の防止)や凍結防止効果が備わっていません。
水の補充は錆や、特に冬季は凍結する恐れがあります。
冷却系統の一部で凍結した場合は水が循環しないほか、凍結により体積が増え、部品を破損する恐れがあります。
水の補充は、応急処置であり早期にディーラーや整備工場に修理・交換依頼をしなければなりません。
ラジエターの水漏れの修理代は?
ラジエター本体の修理代
ラジエターに水漏れがあった場合は、新品交換になります。
修理ではなく新品交換する理由は、ラジエターの修理はプロの方でも漏れている所を発見することが難しく、修理後に再発することが多くあります。
再発するたびに修理に出すよりも、1度で完了する交換が手間や工賃がかかりません。
ラジエターの交換費用は車両により大きく差があり、ラジエター本体は¥50,000円~¥100,000円ほどかかります。
交換作業の工賃についても、車両によって差があり¥20,000円ほどかかります。
エンジンを降ろさなければ交換作業が出来ない車両や、ラジエターの取り外しに非常に時間がかかる車両などがあります。
車両によっては作業工賃は、¥20,000円を超える場合があります。
ラジエターの交換費用
- ラジエター本体:¥50,000円~100,000円
- 作業工賃 :¥20,000円
- 合計 :¥70,000円~¥120,000円
ラジエターホースの修理代
ラジエターホースには、ラジエター上部を繋ぐ『アッパーホース』と、ラジエターホース下部を繋ぐ『ロアーホース』があり2つで1組になります。
『アッパーホース』と『ロアーホース』をあわせた1組の部品代は、約5,000円~約20,000円です。
価格に開きがある理由は、ラジエターホースの品質の差になります。
交換作業の工賃は、約8,000円~約10,000円です。
ラジエターホースの交換時には、普通車では1リット¥1,000円の冷却水(ラジエター液)を3リットル使用しますので冷却水代が¥3,000円ほどかかります。
ラジエターホースの交換費用
- 部品代:¥5,000円~¥20,000円
- 冷却水:¥3,000円(3L)
- 工賃 :¥8,000円~¥10,000円
- 合計 :¥16,000円~¥33,000円
冷却水の交換
冷却水(ラジエター液)の価格は、1リットルあたり¥1,000円ほどします。
乗用車の場合は3リットルほど使用しますので、冷却水(ラジエター液)の値段は約¥3,000円になります。
工賃は冷却水(ラジエター液)の値段よりも高く約¥8,000円かかります。
冷却水(ラジエター液)と工賃をあわせた合計費用は、約¥11,000円です。
冷却水(ラジエター液)の交換費用
- 冷却水 (乗用車):¥3,000円(3L)
- 工賃 :¥8,000円
- 合計 :¥11,000円
ウォーターポンプの修理代
ウォーターポンプは故障すると新品交換になります。
ウォーターポンプの価格は¥10,000円ほどです。
ウォーターポンプの交換時には、普通車では1リット¥1,000円の冷却水(ラジエター液)を3リットル使用しますので冷却水代が¥3,000円ほどかかります。
ウォーターポンプの交換では、本体の価格よりも作業工賃の方が高くなります。
ウォーターポンプの修理代
- ウォーターポンプ代:¥10,000円
- 冷却水 :¥3,000円(3L)
- 工賃 :車両による
- 合計(工賃含む) :¥20,000円~¥60,000円
タイミングベルトも同時に交換
ウォーターポンプを交換する際にはタイミングベルトを外します。
ウォーターポンプの交換にあわせてタイミングベルトの交換も行った方が得策です。
近い将来タイミングベルトの交換を迫られます。
その時に、再びディーラーや整備工場に入庫するのは手間がかかります。
ウォーターポンプの交換と同時にタイミングベルトの交換をすることで工賃を安く抑えることができます。
タイミングベルトの価格は¥5,000円ほどですが、交換作業の工賃は¥30,000円~¥50,000円ほどかかります。
工賃を含めた合計は¥35,000円~¥55,000円の費用がかかります。
タイミングベルトの交換費用
- タイミングベルト代:¥5,000円
- 工賃 :¥30,000円~¥50,000円
- 合計 :¥35,000円~¥55,000円
ファンベルト(Vベルト)の場合の交換費用
最近はタイミングベルトからタイミングチェーンに移行する車両が増えています。
タイミングチェーンの場合は、ファンベルト(Vベルト)の交換になります。
ファンベルト(Vベルト)の交換費用
- ファンベルト代:¥5,000円
- 工賃 :¥5,000円
- 合計 :¥10,000円
サーモスタットの交換費用
サーモスタットの交換費用は、概ね以下の費用がかかります。(車種や交換するガスケット類により多少の差はあります)
サーモスタットの交換作業時には冷却水が流れ出すため、流れ出して足りなくなった分の補充、あるいは冷却水を全量交換した費用が別途かかります。
冷却水は1リットルあたり約1,000円の費用がかかります。
乗用車の場合は約3リットル使用しますので、約3,000円の費用がかかります。
サーモスタットの交換費用
- サーモスタット代 :¥1,500円~¥2,000円
- 冷却水 :¥1,000~¥3,000円
- ガスケット類:各¥200円
- 工賃 :¥4,000円~¥7,000円
- 合計 :¥6,700円~¥12,200円
ラジエターファンモーターの交換費用
ラジエターファンモーターは1つ付く車両と2つ付く車両があり、車種により費用が異なります。
ファンモーターの交換費用は、約40,000円~約80,000円かかります。
ラジエターファンモーターの交換費用
- モーター代:¥30,000円~¥60,000円
- 工賃 :¥10,000円~¥20,000円
- 合計 :¥40,000円~¥80,000円
車両によっては、¥80,000円以上の費用がかかることもあります。事前に見積もりなどを取り確認が必要です。
まとめ
- ラジエターの水漏れの原因は多岐に渡ります。(例)ラジエター本体の穴やウォーターポンプの故障
- ラジエターの水漏れの修理代は、(例)ラジエター本体の場合は¥70,000円 ~ ¥120,000円かかります。
- ラジエターの水漏れはエンジンのオーバーヒートや焼きつきの原因になりエンジン載せ替えになる場合もあります。
- ラジエターから水漏れした場合の応急処置には、水を補充する方法があります。
7年経過の車は修理を続けると損をするの?買い替える判断基準についても
走行距離が7万kmに差し掛かかると車の寿命が近づく為、修理や故障の頻度が多くなります。
そんな時に、『修理してもう少し乗り続けようか』 それとも『思い切って買い替えようか』と悩んでしまいます。
大きなお金が動くため、どちらを選択した方が損をせず得になるか判断に迷いが生じます。
10万kmに差し掛かり寿命が近づく車は修理をすると損をします。
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