2010年~2017年の調べでは、JAFの救護依頼出動件数ランキングNo.1は、
バッテリー上がりです。
特に一般道では何年も連続してランキング1位となっており、その件数も2位を大きく引き離すほどの圧倒的件数です。
特に路上で停止することは非常に危険なことです。
路上や駐車場でバッテリー上がりを起こしてしまった時に安全に速やかに対処するにはどのような方法があるのか、またバッテリー上がりの予兆や未然に防ぐ方法や、やってはいけないことにはどんなことがあるのか書いてみました。
もくじ
路上でバッテリーが上がってしまった時の対処法
三角表示板(警告反射板)で後方の安全確保
渋滞中や信号待ちなど路上で停止してしまった場合、この時点では、まだバッテリー上がりが原因かわかりませんが、本来は停止するはずのない路上で停止してしまったので、まずは三角表示板(警告反射板)を設置し、後方安全につとめ、緊急停車していることを後続車へ知らせます。
車種によっては三角表示板がトランクフードの内側に貼り付けてあるものありますので、緊急停車していることをトランクを空けて知らせます。
設置場所は、自車から後方へ数メートルから数十メートル離れたところに設置します。
そして、ハザードスイッチは点滅しません(つきません)。
理由は、バッテリーが上がっている為に電気系統は機能しません。
車内や車の近くにいると、走行する車や追突の危険があります。
必要であれば三角表示板(警告反射板)に付帯してある、反射シールがついた安全ベスト(反射ベスト)を着用し、車から離れた安全な場所へ避難します。
安全確保ができらJAFに救援依頼をします。
このような危険な状況ではJAFやロードサービスの救援依頼をします。
路上でブースターケーブルやジャンプスターターを使うのは危険です。
JAFであれば赤色灯や電光掲示板を使い、後続車へ緊急停止の旨を知らせてもらえより安全です。
JAFやロードサービスに救援依頼をした後は安全な場所で待ちます。
バッテリーが上がった車両は動かせないと思った方が良い
バッテリーが上がっているということは電気系統も機能していないということです。
電気系統が機能していなということは、ハンドル(ステアリング)操作やブレーキ操作が実質、効かなくなります。
実質、効かなくなるという意味は、ブレーキやハンドル自体は故障していませんので効きますが、ブレーキを効かせるまでの力が大き過ぎて、ドライバーがブレーキやハンドルを作動させる力を発揮することができません。
作動させることができませんので、実質、効かないと同じことです。
AT車の場合であれば1回目のブレーキから効かなくなり、MT車の場合ば最初の1回目のみ効きますが2回目以降は効かなくなります。
2回目も効くという情報もありますが、仮に効いたとしても2回目くらいまでです。
3回も4回も効くことはありません。
もの凄い力で毎回ブレーキを踏むことが可能であれば効くかもしれませんが、その様な大きな力を繰り返す出せる体力も現実的にはありません。
実際に、エンジン停止状態で下った坂の途中でブレーキを踏んだにもかかわらず、ブレーキペダルの重さに車は停止できずに追突した事例もあります。
安全の為には、ブレーキもハンドル操作も最初から効かないと心得ておいた方が良いです。
なぜブレーキやハンドル操作が効かなくなるのか?
なぜブレーキが効かなくなるか簡単に説明すると、ブレーキペダルを踏む力は電気の力でアシストすることで、踏む力を軽くしてもブレーキが効くようになっています。
しかし、電力がない場合はアシストもありませんので、普段以上の力で踏まなくては、ブレーキは効きません。
その普段以上の力というのは、もの凄く大きな力です。
アシスト機能がついているくらいですので、アシスト無しではその力を繰り返し踏むことは、現実的にはほとんど不可能です。
ハンドル(ステアリング)操作も同様に、電気の力を借りることで軽い力でハンドル操作が可能です。
しかしバッテリーが上がってしまった場合は、電気系統が機能していませんので、電気の力を借りることができません。
従って、ハンドルはロックがかかったように重くなり、とてもハンドルを切る操作はできません。
以上のことからバッテリーが上がってしまった時には、ブレーキ・ハンドル操作が実質効きませんので車を押して移動することは、
安全とは言えませんので控えた方が良さそうです。
駐車場やSAでバッテリーが上がってしまった時の対処法
高速道路でのバッテリー上がりの件数も多く、2017年から過去10年間は全て4位です。
一般的にバッテリー上がりは走行中には起こらないものです。
(オルタネータの故障が原因で起こす時はあります)
したがって高速道路で起こる場合というのは、SA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)の場合が多いと考えられます。
ここでは駐車場でバッテリー上がりを起こってしまった場合についてお話していきます。
関連記事>>>『オルタネーターの故障の原因と症状とは?修理費用と交換費用の比較についても』
ブースターケーブルによる処置
駐車場やSA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)でバッテリー上がりを起こした場合
というのは、既に駐車している状態です。
安全面が確保できそうな場合は、他の車からブースターケーブルを介して一時的に応急処置することができます。
ブースターケーブルは作業手順を誤ると一瞬で火災へつながる作業です。駐車台数が多い場合は一気に車両火災が拡大しますので、よく検討してから作業を行うようにしてください。
安全面の確保
- 駐車している車が少ない
- 駐車場への車の出入りが少ない
- 交通整備係りの方に他の車の出入りの誘導を依頼できる
他の方へ迷惑をかけないことや、車両火災が起きた時の拡大被害がないように安全確保が大事です。
メモ
ブースターケーブルの作業手順については、車がバッテリー上がりを起こす原因と理由は?対策と対処方法を解説【自宅編】の目次:3 バッテリーが上がってしまった時の応急処置にて詳しく解説しています。
ジャンプスターター(ジャンピングスターター)による処置
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ジャンプスターター(ジャンピングスターター)は、ブースターケーブルに比べると作業手順は少なく理解がしやすいです。
ブースターケーブル同様、作業手順を誤ると一瞬で火災につながります。
作業手順については、商品購入時に同封されている、取り扱い説明書に従うことが一番安全で確実な方法です。
必要なものは全て同封していますので、新たに他の物を買う必要はありません。
メモ
ジャンプスターターのメリット・デメリットや作業手順(参考)については、車がバッテリー上がりを起こす原因と理由は?対策と対処方法を解説【自宅編】の目次:3.2 ジャンプスターター(ジャンピングスターター)を使用する方法にて詳しく解説しています。
JAFやロードサービスへの救援依頼が一番安全で確実
一番安全で確実な方法はJAFやロードサービスに救援依頼をすることです。
専門的なことは専門家に任せることが一番です。
救援依頼をしてから1時間前後で到着します。早ければ30分ほどで到着する時もあります。
到着後は全ての作業を安全で確実に作業してくださります。
不安なことや疑問点は質問すると全てお答えしていただけます。
さらに、この直後にバッテリー交換でディーラやガソリンスタンドに向かう場合は、後方から車で一緒についてきてもらうことができます。
特にこちらから依頼しなくても、JAFさんの方からお声がかかります。
理由はディーラなどに向かう途中にエンストをしてしまい、エンジンの再始動ができない場合に、再び応急処置にてエンジン始動をしていただくためです。とても心強いです。
JAFの会員であれば無料にてご利用できます。
1日に何度利用しても、年間に何度利用しても無料です。
自動車保険に付帯しているロードサービスについても、契約(加入)していれば無料で使える場合がほとんどです。
しかし、こちらは年に利用できる回数に制限があることがあります。
バッテリー上がりの場合は会員であればJAFを利用する方がよいと思います。
関連記事>>>エンストとは何の略?原因と対処についても
バッテリー上がりの前兆と対策
運転中に、「車の調子がおかしい、いつもと違う」など、バッテリー上がりの前兆(予兆)が現れた際に、その場でとれる対策ついて挙げてみました。
ここでの対策はその場を一時的にしのぐだけで解決策ではありません。
一番の解決策は新品に交換することです。
またバッテリー上がりの予兆はエンジン回転数が低い渋滞時に起きることが多く見られます。
エンジン始動音が弱弱しい
エンジン始動時には一番多くの電力を使います。
従ってバッテリー上がりを起こす直前のバッテリーが弱っている時には、エンジン始動の負担が大きくなります。
その為、エンジンは始動するものの、エンジンのかかりだし音は弱弱しいです。
この弱弱しいエンジン音を効いた時は、すでにバッテリーが弱くなっていますので、バッテリー上がりを起こしやすくなっています。早めの交換をおすすめします。
ヘッドライトの明るさがエンジン回転数にあわせて変化する
バッテリー上がりが起こる前というのは、電力が小さくなりつつありますので、ヘッドライトの場合は、アクセルを踏んだ時は明るくなり、アクセルを戻すと暗くなります。
アクセルを踏んだ時に明るくなる理由は、エンジン回転数により発電量が増し、電力が大きくなる為にその瞬間は通常の明るさになります。
アクセルを戻すと発電量は小さくなり、電力も弱くなる為ヘッドライトの明るさが通常よりも落ちてしまい暗くなります。
ヘッドライトに限らず、同じことがメータパネルや他の電装品にも言えます。
ヘッドライトが一番視界に入るために気がつきやすいです。
このような場合の対策はその場しのぎになりますが、信号待ちや渋滞で停止している時は、ヘッドライトをスモールランプ(車幅灯)に切り替えます。
早急に新品のバッテリーに交換することが何よりの解決になります。
フットブレーキからサイドブレーキに切り替える
フットブレーキを踏むことは、テールランプの点灯に繋がりますので、消費電力が大きくなり、バッテリーへの負担が大きくなります。
信号待ちの停止中はフットブレーキからサイドブレーキへ切り替えるとバッテリーへの負担は小さくなります。
オーディオ
音楽やラジオを聴いている場合は音飛びがあります。
こちらは機器自体の故障の可能性もありますので、音飛びのみでは判断が難しい為、他のものと併せて確認する必要があります。
その場でできる対策は、交通情報を聞く以外は電源をOFFにすることです。
アイドリング
信号待ちをしている時のアイドリングが不安定になります。
場合によっては、信号待ちの間にエンジンが停止して再始動できなくなってしまいます。
周りに配慮した上で少しエンジン回転数を上げることで充電を稼げます。
ワイパー、ウィンカー、パワーウィンドウ
通常の動きよりも遅くなりますので異変に気がつきます。
信号待ちの停止中であればワイパーの作動はOFFにするか、間欠速度を一段落とします。
上記のようなことがある場合は、バッテリー上がりの前兆ですので、安全に駐車・停止できるスペースを見つけ、急な路上停止を避けるためにもなるべく早めに車を駐車します。
電装品の使用は必要最低限にします。
できることなら最寄のディーラーやガソリンスタンドなどでバッテリー交換することをおすすめします。
緊急停止で極力避けたい場所
突然のバッテリー上がりで路上にて緊急停止する場合があったとしても極力避けたい場所があります。
緊急停止を極力避けたい場所
- トンネル内
- 交差点内や交差点の前後
- 2車線・3車線道路の中央車線や右車線
- 山間部や峠道
山間部や峠道にあまり行かない方は想像がつきにくいことと思いますので、その点について少しお話します。
- 交通量が少ないために救援機会が少ない
- 携帯電話(スマートフォン)などの電波状況があまり良くない。圏外の場合も有り
- 通信状況(電波)が良くない為に電池の消耗が激しい
- GPSが拾えなくなる場合があり、救援依頼時に正確な住所に困ることがある
- 平野部と違い気温が低い中で救援を待つこともある
JAFではスマートフォンのGPSを利用して正確な救援場所を特定してもらうことができます。土地鑑(土地勘)がない所ではGPS機能は有効です。
バッテリー上がりはメモリー抹消される
バッテリーが寿命を向かえ交換した際にはこれまで通りに使用できますが、バッテリー上がりを起こしてしまってからバッテリーを交換した場合は、
これまで登録してあったメモリーがリセットされていしまいます。
詳しくは『車がバッテリー上がりを起こす原因と理由は?対策と対処方法を解説【自宅編】』
の目次:5 バッテリー上がりを起こすとメモリーが消えるで解説してありますので、そちらをお読みください。
まとめ
- 路上停止した時は三角表示板を設置し自分と後続車の安全確保をする。
- 安全確保後はJAF(もしくはロードサービス)に救援依頼をする。
- バッテリー上がりの車両はブレーキ・ハンドル操作が効かない為、無理に動かさない
- バッテリー上がりの前兆が現れた際は緊急停止になる前に早めに安全な場所に駐車する。
- バッテリー上がりの対策には電装品の使用頻度を抑える。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。