走行中にタイヤが外れる(ホイール含む)てしまうと大変危険です。
走行中にタイヤが外れることがない様に、気をつける点や運転中に現れる前兆についてお話していきます。
※タイヤのみが外れる場合ではなく、タイヤとホイールがついた状態で外れる場合についての解説になります。
もくじ
走行中にタイヤが外れる原因
- スタットボルトの破断・損傷
- ナットの締め付け不足や緩み
スタッドボルトの破断・損傷
スタッドボルトはナットの締め過ぎにより破断をします。
破断は、時間が遅れた締め付け後に起きることもあります。
スタッドボルトには常に引っ張られている力がかかっています。
このまま放置して破断することもあれば、走行中の振動に起因して破断することもあります。
ナットの緩みを恐れて強く締めすぎると、その場で破断することもあります。
過度な締め付けはボルトの破断の原因になります。
破断する理由は、ボルトやナットは締めれば締めるほどボルトの軸が益々引っ張られて破断をします。
ボルトの軸が引っ張られると、それに伴って部品同士も引っ張られます。
その結果、部品同士の接触する面の密着が高くなり、摩擦力(密着力)が部品と部品の固定になります。
ボルトやナットを締め込むとボルトの軸には負荷(引っ張り)がかかり続けることになり、締めこむほど負荷も多くかかることになります。
以上から、ボルトやナットは強く締めれば良いというわけではなく、締め込み過ぎると破断し固定ができなくなります。
では、どれくらいの力が適正な締め付けトルクかというと、取扱説明書に適正な締め付けトルク(規定トルク)が記載してあります。
実際に締め付ける時は、トルクレンチという工具を使用します。
トルクレンチは締め付けている力がデジタル表示やアナログ表示でわかる工具です。
ナットの締め付け不足や緩み
ナットの締め付け不足には、締め付ける力(トルク)が緩かったものや、締め忘れによるものです。
締め付けが緩い場合(トルク不足)、装着時は固定されていますが、走行中の振動で次第に緩みます。
スタッドボルトの破断・破損でもお話しましたが、過度な締め付けはボルトの破断・破損に繋がります。
適正なトルク値は、車の取扱説明書などに記載してありますのでそちらを確認し、トルクレンチを使用して規定トルクにて締めます。
トルクレンチは、アナログ式・デジタル式のものが各工具メーカーから発売されています。
タイヤが外れる前兆や症状
- 音
- ハンドリング
音
もし走行中にナットが外れそうな時は、普段の走行では聞きなれない物を引きずるような大きな音がし、そのまま走行を続けると、異音はさらに大きくなります。
異音の発生源は、ナットの緩みにより部品同士がぶつかり合っている音です。
緩みだすと外れるまでは時間がかからない為、異変や異音に気がついた時は安全な場所を見つけ直ぐに停車しましょう。
ハンドリング
音以外に異変と感じるところは、ハンドリングに違和感があります。
車の動きが鈍い、重くて振られるなどがあります。
いつもと何か違うと感じたら、安全な場所に停車をして確認してみることです。
緩み始めの異音は音楽やラジオなどをかけていると耳に入りづらく、発見が遅れることがあります。
タイヤを外す機会とは
タイヤを外す時には、どのような時があるか挙げてみます。
- 新品タイヤに交換
- 新品ホイールに交換
- タイヤのローテーションを行った
- 夏用タイヤ/冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)に交換
- タイヤのパンク修理を行った
上記を行った後は、タイヤ・ホイールの取り付け・締め付けに気をつけると良いです。
ナットの増し締め
タイヤ交換など、ナットを緩めた後は、100km~200kmくらい走行した後に、増し締めを行います。
増し締めとは、ナットの緩みの確認と緩みがある際はもう一度、締めなおすことです。
この時も、トルクレンチを使用し規定トルクを守ります。
必要以上の締め付けは破断の原因になります。
緩んでいる場合は規定トルクで締め付けます。
意外と事例は多い
走行中にタイヤが外れる(ホイール含む)経験をされた方や、外れたタイヤが道路を転がり続ける光景を目の当たりにした方は意外と多くいらっしゃいます。
マイカーの日常点検はドライバーの義務になっていますので、6ヶ月点検や12ヶ月点検のみを頼らず、自ら日々の点検をすることで未然に防げます。
第四章 道路運送車両の点検及び整備
- 第四十七条の二(日常点検整備)
自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。
2 次条第一項第一号及び第二号に掲げる自動車の使用者又はこれらの自動車を運行する者は、前項の規定にかかわらず、一日一回、その運行の開始前において、同項の規定による点検をしなければならない。
3 自動車の使用者は、前二項の規定による点検の結果、当該自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるときは、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため、又は保安基準に適合させるために当該自動車について必要な整備をしなければならない。
【 出典:国土交通省 自動車の点検整備 】
【http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-2/】
まとめ
- 走行中にタイヤが外れる原因は、ナットの締め付け不足・緩みが主な原因です。適正トルクはトルクレンチの使用が最適です。
- 走行中にタイヤが外れる前兆には、音が最大の特徴です。車体の動きの面では、カーブ走行中はハンドリングに違和感があります。
- ナットの増し締めや定期点検を行うことで未然に防ぐことができます。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
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