ブースターケーブル使用の際に、感電やショートについて気になる方もいらっしゃると思います。特に、電気は目に見えないために余計に恐怖を感じます。
ブースターケーブルを安全に使うには、正しい使用方法で行うことは勿論ですが、危険を引き起こす原因を理解しておくことも、より安全な作業に繋がり、バッテリー上がりの際にも冷静で確実な対処ができるようになります。
もくじ
金属や車のボディーの電極はマイナス
銅や鉄などの金属は電気をよく通す材質です。これらはマイナスになります。
つまりスパナや車のボディーは金属ですのでマイナスになります。
金属に比べてると電気の通しやすさは落ちますが地面もマイナスになります。
『車のボディーは電気を通しやすいマイナス』と覚えておきます。
反対に電気を通しにくいものは、ゴムや樹脂(プラスチック)、陶器などです。
感電やショートするつなぎ方
感電やショートを起こす場面とは?
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赤(+)ケーブルをバッテリーのマイナス端子(-)に繋いでしまう。
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黒(-)ケーブルをバッテリーのプラス端子(+)に繋いでしまう。
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赤(+)ケーブルと黒(-)ケーブルの金具部分が接触する。
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赤(+)ケーブルの金具部分を車のボディー(-)や金属に接触する。
ショートはプラス(+)とマイナス(-)が繋がった上で、『直結』をするとショートを起こします。
直結とは抵抗がない(電装品がない)ことです。
例えば、バッテリーのプラス端子とマイナス端子に同時にスパナを接触すると『直結』したことになりショートを起こします。
なぜ直結がショートする理由になるかと言いますと、本来は回路の途中に電装品があり、そこで電気を消費します。電気を消費することは『抵抗が無い』とも呼ばれます。
抵抗となるものがないと、電気を消費せず多くの電流が流れることになります。
それがショートとなります。電装品があると、そこで電気を消費するために、多くの電流が流れることはなく、ショートが起こらないことになります。
この『直結』と同じことがブースターケーブルの使用で起こることがあります。
感電につながる扱い方
感電に繋がるブースターケーブルの扱い方があります。
例えば、左手に赤(+)ケーブル、右手に黒(-)ケーブルといったように、同時にプラス(+)とマイナス(-)のブースターケーブルを持つことです。
これは、プラス(+)とマイナス(-)が自分を介して繋がったことになります。
手で握っている部分はゴムや樹脂で出来た電気を通しにくい材質ではありますが、どちらか一方だけを持つことで安全性は高まります。
握っているグリップの反対側がバッテリー端子に繋がっている場合は非常に危険です。
このような扱い方をすると感電に繋がります。
感電やショートが起こらないつなぎ方
感電やショートが起こらない接触や接続があります。
プラス(+)とプラス(-)の接触、マイナス(-)とマイナス(-)の接触という風に、同じ極で接触する場合は、電気の流れを一方向にしただけですので、
感電やショートの心配はありません。
ジャンプスタート時に、故障車のプラス(+)と救援車のプラス(+)を繋いでも、何も起こらないのはこういった理由からです。
このことはマイナス(-)の場合も同じです。
救援車のマイナス(-)と故障車のマイナス(-)を繋いでもショートは起こりません。
マイナス(-)からマイナス(-)への一方向がその理由です。
思いもよらない感電、ショート実例
電装品の取替え作業中に予期せぬ『直結』をしてしまうことがあります。
電装品を外した場合、プラス側の配線が車のボディー(マイナス)に触れてしまうことです。
触れた瞬間に『直結』になりますのでショートを起こします。
他の例では、配線を外した電装品が思ったように取り外せず、工具を利用し、こじって外そうとした際に、プラスの配線と工具(マイナス)とボディーが同時に接触しショートしてしまうことがあります。
このような場合は、あらかじめ樹脂コーティングが施された工具などを使用することで感電やショートの対策ができます。
また、濡れた手や周辺の部品・機器が濡れている場合の作業は控えることをおすすめします。雨の日や水分がある時は電気が流れやすいため感電のリスクは高まります。
原理を理解すると扱いにも慣れる
ジャンプスタート後のブースターケーブルを外す順番を間違うと、なぜ感電やショートを起こしてしまうのか理由についてお話していきます。
ジャンプスタートをして故障車のエンジンがかかると、次の作業は故障車側の黒(マイナス)ケーブルを外します。
その理由は、もし外した黒(マイナス)ケーブルの金具部分が、何かの拍子で車のボディーや工具に触れてしまってもショートや感電が起きることがないからです。
車のボディーや工具はマイナスですから、触れたとしてもブースターケーブルを外す前に接続していた、バッテリーのマイナス端子と同じです。
誤って車のボディーに触れてしまったとしても、再びマイナス端子に接続したことと同じですから、感電もショートも起きず何も問題はないというわけです。
しかし、この手順を誤って、赤(プラス)ブースターケーブルから外してしまうと、何かの拍子で車のボディーや工具に触れてしまった場合、その瞬間に、バッテリーのプラス端子とマイナス(-)が『抵抗がない』状態で繋がりますので、『直結』したことになりショートを起こします。
ちなみに、地面(大地)も弱いですがマイナスです。
このような危険な場面に遭遇しないように、マイナス(-)から外すようにしています。
感電対策
- 電気を通しにくいゴム手袋をします。ゴム手袋がない場合は軍手をします。
- 手で触れる工具類は、ゴムテープや樹脂コーディングを施したものを使用します。
※軍手をした場合は、回転部分に触れると巻き込みの危険があります。
まとめ
- 車のボディーや工具などの金属は電気を通しやすいマイナス(-)
- 感電防止の為には、電気を通しにくいゴムや樹脂が施してあるものを使用する。
- プラス(+)とマイナス(-)の直結は抵抗がない為にショートや感電につながる。
- ブースターケーブルを扱う手順は、直結を防止する為の手順。
- 雨の日は感電のリスクが高まるので作業は控える。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。