カー用品店や街を歩いている時に『ユーザー車検』と書かれた広告や看板を見ることがありますが、ユーザー車検とはどのような車検か気になったことはないでしょうか。
ユーザーとはどういった意味? ディーラーで受ける車検とはどこが違うの? 車検費用が安いと聞いたことがあるけどいくら?
などと、様々な疑問や興味が湧いてきます。
当記事では、ユーザー車検とはどのような内容の車検か、お伝えしていきます。
ユーザー車検についてわかると、便利でお得に利用することができます。
ユーザー車検とは?
車検無事終了!
ディーラーの値段をみて父がユーザー車検を決意してなぜかラインは俺が通すというww
軽と普通車でちょっと検査の仕方が違うから面白かった~ pic.twitter.com/T6PlK4PQyy— たかゆ〜 (@Schilbach_S22) 2018年8月15日
#お盆中 #ユーザー車検 #車検場 行って来た(o^^o)
自分で取りに行くと、2年後の車検忘れてしまうので、注意しなきゃ!
取り敢えず終了(^^) pic.twitter.com/nh4UKQuQBV— ruchiru (@ruchiru22) 2018年8月13日
車検と言うとディーラーやカー用品店などに車を出して車検を受けることが多いですが、ユーザー車検とは、『自分の車を自分自身で検査する』車検です。
ユーザー車検を行う場所は、運輸支局(旧陸運局)にある、『自動車検査登録事務所 (陸運局事務所)』にて車検を行います。
初めての場合、検査内容や検査方法について心配されると思われますが、あらかじめ決められた検査項目を手順に従い進めて行きます。
従って、難しいことはなく誰でも進行できる内容(マニュアル)になっています。
検査(車検)に問題が無い場合は短時間で完了することができ、その日のうちに完了し帰宅することができます。
一般的に2時間程度で完了し、慣れた方であれば1時間程度で完了します。
制限時間
検査には制限時間が設けてあります。
検査項目に抵触した場合は、問題点を解決するまでは検査(車検)を完了することができず、時間がかかってしまいます。
時間内に検査を完了する事ができなかった場合は、後日、前回終了した検査項目からの続きになります。
ただ、あまりにも何度も制限時間を超えてしまう場合は、検査を一番始めからやり直しになることもあります。
ミニクーパーの車検満了日が20日なので、そろそろユーザー車検にやってきました。
ディーラーで車検整備済なので、ただ検査ラインを通せばおしまいですね😊 pic.twitter.com/99PYNVWFty— たくちゃん®︎ (@sr_takuchan) 2018年8月14日
軽自動車の場合は場所が異なり、『軽自動車検査協会』にて車検を行います。
ユーザー車検の検査項目
- 同一車両の確認
- 車両の外観検査
- サイドスリップ検査
- ブレーキ検査
- スピードメーターの検査
- ヘッドライト検査
- 自動車検査標に記録
- 排気ガス検査
- 自動車検査標に記録
- 下回り検査
- 自動車検査標に記録
- 総合判定
step
1同一車両の確認
替え玉防止の為に、検査官が同一車両の確認をします。
確認はこれから検査(車検)を行う『検査コース』の入口で行います。
検査官に自動車検査証(車検証)や申請書類など指示された書類を提出します。
検査官は車検証と申請書類の記載内容を照らし合わせ、内容に不一致がないかを確認します。
検査員の指示によりボンネットを開け『車台番号』『原動機型式』が同一の物か確認します。
その他に改造したが箇所がある場合は、改造による変更内容が車検証と一致しているか確認します。
step
2車両の外観検査
車両の外観を目視により検査します。
ホイールカバーを装着している場合は、あらかじめ外しておきましょう。
自宅から運輸支局(旧陸運局)へ向かう前に外しておいても良いです。
- ライト類の確認:検査員の指示に従い、車幅灯、前照明、ハイビーム、左ウィンカー、右ウィンカーを順に切り替えます。
- 車両前部の確認:車両前部を目視により確認します。
- ホイールナットの緩みを確認:ハンマーでホイールナットを叩き、打音から緩みの確認を行います。
- 車両後方の確認:車両後方を目視により確認し、同時にテールランプの点灯、ブレーキランプの点灯、バックランプの点灯、左ウィンカーの点滅、右ウィンカーの点滅、ハザードランプの点滅を確認します。
異常や問題がなければ自動車検査標に『合格印』が押されます。
step
3サイドスリップ検査
ここからは、検査ライン(検査コース)に入ります。
検査コースで『サイドスリップ』の検査をします。
『サイドスリップ検査』の検査内容は、前タイヤの横滑りを検査します。
「タイヤの偏磨耗」や「走行時の直進安定性」に繋がる検査です。
検査方法は、検査コースにある車両約2台分の長さのある鉄板の上をハンドルを真っ直ぐにした状態でゆっくり進みます。
合格の場合は、前方にある電光掲示板に『○』と表示します。
step
4ブレーキ検査
電光掲示板の指示に従って車両を停止します。
4ヶ所あるローラの上に4つの車輪を乗せます。
エンジンをかけた状態を保ち、ギヤをニュートラルへ入れます。
車両が少し沈んだ後にブレーキ検査が開始します。
ブレーキを踏むタイミングは、前方にある電工掲示板の指示に従います。
プレーキ検査は、前輪・後輪のフットブレーキと駐車ブレーキを検査します。
ブレーキ検査後、前方の電光掲示板に『○』と表示した場合は合格になります。
step
5スピードメーターの検査
ブレーキ検査と同じ場所で、『スピードメーター検査』を行います。
前方の電光掲示板に『40km/hでパッシング』と表示されますので、ハンドルはしっかりと真っ直ぐを保ち、徐々にスピードを上げます。
スピードメーターの表示が40km/hを指した時点で『パッシング』をします。
誤差を含めた基準範囲であれば、前方の電光掲示板に『○』と表示し合格になります。
ハンドルから手は離さないで下さい。車両が飛び出し大きな事故に繋がる恐れがあります。
step
6ヘッドライト検査
引き続き同じ場所でヘッドライトの検査をします。
電光掲示板の指示に従い、ヘッドライトをロービームあるいはハイビームにします。
左右のヘッドライトテスタにより光量、光軸の測定をします。
前方の電光掲示板に『○』と表示した場合は合格になります。
step
7自動車検査標に記録
電光掲示板の指示に従い車両をテスタから移動し停止線で駐車します。
車から降りて記録器に自動車検査標を挿入すると、ステップ3~6までの4項目の検査結果を印字します。
ステップ3~6の検査
- ホイールナットの緩みを確認
- ブレーキ検査
- スピードメーターの検査
- ヘッドライト検査
step
8排気ガス検査
排出ガス検査機器は、記録器の横に設置してあります。
排出ガス検査機器を手に取り、伸びているプローブをマフラーに差し込みます。
排出ガス検査では、排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の濃度を測定します。
検査に合格すると、電光掲示板に『○』が表示されます。
排出ガス検査に使ったプローブをマフラーから抜き元の位置に戻します。
排出ガス検査は、ガソリン車のみになります。
ディーゼル車両の場合は、ディーゼル車専用の排気ガス検査がありますので、検査官の指示に従って下さい。
step
9自動車検査標に記録
記録器に自動車検査標を挿入し、排出ガス検査の結果を印字します。
step
10下回り検査
検査ラインにそって車をゆっくりと前進し検査機器の停止位置に前輪を乗せます。
前輪を乗せた後は、エンジンを停止し、ギヤをニュートラルあるいはパーキングに入れます。
マニュアル車の場合は、ニュートラルあるいは1速かバックギヤに入れます。
駐車ブレーキは使用しないで下さい。
検査が開始すると車が左右に揺れ、前方の電光掲示板にブレーキを踏む、駐車ブレーキを引くなどの操作を指示する旨が表示しますので、指示に従って操作してください。
電光掲示板に『○』が表示された後に、エンジンを始動し車を前進します。
不具合があった場合は、マイクを通して検査員に呼ばれますので指示に従ってください。
step
11自動車検査標に記録
記録器に自動車検査標を挿入し、ステップ10の下回り検査の結果を印字します。
検査は全て終了します。
step
12総合判定
全ての検査が終了すると、検査コース出口にある総合判定ボックスに必要書類一式を提出します。
総合判定の結果に問題がなければ、『自動車検査標の審査結果通知欄』に『合格』が押されます。
問題があった場合は、自動車検査標に問題箇所について記載があり、是正後にもう一度検査を受けることになります。
1回の検査申請による、検査コースへ入れる回数は3回までと制限があります。(地域によりことなりますので事前に運輸支局へ確認をお願いします)
ユーザー車検の費用はいくら?
運輸支局(旧陸運局)でかかる費用
運輸支局(旧陸運局)では、次の費用がかかります(普通車の場合)
運輸支局でかかる費用
- 審査証 :¥1,400円
- 検査印紙 :¥400円
- 紙3号 :¥20円
- 運輸支局でかかる合計費用:¥1,820円
自賠責保険料
自賠責保険料
- 普通車 :¥27,840円
- 軽自動車:¥26,370円
自動車重量税
13年経過前の普通車 (自家用)
スマートフォンの場合は、横スクロールができます。
車両重量 (kg) | 2年分の費用 (円) |
1.0t以下 | ¥16,400円 |
1.5t以下 | ¥24,600円 |
2.0t以下 | ¥32,800円 |
2.5t以下 | ¥41,000円 |
全ての合計費用 (1.5t 以下の場合)
全ての合計費用
- 運輸支局(旧陸運局)費用の合計:¥1,820円
- 光軸調整 :¥1,620円
- 自動車重量税 (1.5t 以下) :¥24,600円
- 自賠責保険料 (普通車) :¥27,840円
- 合計費用 :¥55,800円
圧倒的に費用が安い
ユーザー車検はディーラーで受ける車検に比べ圧倒的に安く抑えることができます。
ユーザー車検に必要な書類や持ち物は?
- 自動車検査証 (車検証)
- 自動車税納税証明書
- 自賠責保険料 (普通車:¥27,840円) (軽自動車:¥26,370円)
- 継続検査申請書 (当日、運輸支局にて入手することも可)
- 自動車重量税納付書 (当日、運輸支局にて入手することも可)
- 自動車検査標章 (車検ステッカー:当日、運輸支局にて入手することも可)
- 印鑑(シャチハタ不可)
ユーザー車検の予約の取り方
ユーザー車検はインターネットから予約することができます。
『国土交通省の自動車検査インタネット予約システム』から、アカウント作成後にログインして予約を取ります。
URL:https://www.yoyaku.naltec.go.jp/pc/reservationTop.do
軽自動車の場合もインターネットから予約することができ、『軽自動車検査予約システム』からアカウント作成後にログインして予約をします。
URL:https://www.kei-reserve.jp/pc/index.html
ユーザー車検を受ける場所
- 普通車 :自動車検査登録事務所(陸運局事務所)
- 軽自動車:軽自動車検査協会
普通車と軽自動車ではユーザー車検を受ける場所が異なります。
ユーザー車検のメリットとデメリット
ユーザー車検のメリット
- 手順に慣れるとディーラーに比べ大幅な時間短縮ができる。
- 車検費用が大きく抑えることができる。
- 車の不具合などに気がつきやすくなる。
短時間で車検が完了
検査する手順は難しくはありませんので、何度か経験すると手順にも慣れ短時間で検査項目を完了する事ができます。
概ね2時間程度で完了する事ができるようになり、早い方では1時間程度で完了する方がいらっしゃいます。
費用
車両重量が1.5t以下の場合では、車検費用:¥55,800円と、ディーラーで受ける場合の半分以下に抑えることができます。
車両の状況を把握
自分で検査することで車の状況を把握することができ、不具合のある箇所や寿命が近づいている部品を前もって知っておくことができます。
修理や交換時期が迫っている部品に気がつきやすく、事前に費用の準備やスケジュールを立てやすくなります。
ユーザー車検のデメリット
- 運輸支局(旧陸運局)まで行かなければならない。
- 車に詳しくない場合は戸惑うことも。
- ユーザー車検を受けることができるのは平日のみ。
- 必要な書類を揃える手間がかかる
運輸支局(旧陸運局)まで行かなければならない
ディーラーで車検を受ける場合であれば、自宅の近くにあるディーラーで受けることができますが、ユーザー車検では運輸支局(旧陸運局)まで車を持ち込まなければなりません。
車に詳しく無い場合
車についてあまり詳しくない場合や、休日などに趣味で車いじりや工具など使って自分で整備などをあまりしない場合は、検査項目に抵触した場合に面倒と感じたり戸惑うことがあるかもしれません。
ユーザー車検を受けることができるのは平日のみ
ユーザー車検は運輸支局(旧陸運局)に車を持ち込むため、平日のみになります。
当日、検査が完了しなかった場合は後日、再び運輸支局へ行き検査を受けなければならず、その際も平日のみになります。
必要な書類を揃える手間がかかる
ディーラーで車検を受ける場合に比べて揃える書類などがあるため、少し手間がかかります。
ユーザー車検は誰でも受けることができる?
運転免許を持っている方であれば、どなたでも受けることができます。
検査項目の手順に従い、1つ1つ進めていけば問題なく完了することが可能です。
もし、検査途中で不明な点や確認したい点がある場合は、周りにいる方に聞くこともできますので、不安な時は聞きながら進めていくこともできます。
最初はもちろん慣れていない為スムーズに進まないかもしれませんが、数回経験すると効率良くでき格段に時間短縮が計れ、費用も大きく抑えることができます。
まとめ
- ユーザー車検とは、『自分の車を自分自身で検査する』車検です。
- ユーザー車検の費用は、ディーラー車検に比べ半分以下に抑えることができます。
- ユーザー車検に必要なものは、車検証や納税書など7つあります。
- ユーザー車検のメリットは、時間短縮と費用が大幅に抑えることができます。
- ユーザー車検のデメリットは、必要な書類を揃える手間や車に詳しくない場合は戸惑う恐れがあります。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。